はじめに
体外受精において、「自然周期」と「刺激周期」は卵子を採取するための基本的な治療方針です。
どちらにもメリット・デメリットがあり、患者さんの年齢や卵巣の状態、治療歴などによって最適な方法が異なります。
この記事では、両者の違いと、それぞれどんな人に適しているのかをわかりやすく解説します。
自然周期とは
自然周期とは、排卵誘発剤を使わずに、本来自然に排卵される卵子をそのまま採取する方法です。
一周期につき1個程度の卵子しか得られませんが、体への負担が少ないという特徴があります。
特徴
- ホルモン剤の使用が最小限またはゼロ
- 注射や内服薬が少なく、通院回数も比較的少なめ
- 採れる卵子の数は基本的に1個
- 自然排卵とタイミングが重なるため、キャンセル率が高くなることも
刺激周期とは
刺激周期は、排卵誘発剤を使用して複数の卵胞を同時に育てて採卵する方法です。
刺激の強さによって「低刺激」「中刺激」「高刺激」などに分かれます。
特徴
- 卵子を複数個採れる可能性が高い
- 一度の採卵で胚を複数個得られることもあり、効率が良い
- ホルモン剤を多く使うため、副作用や体調変化に注意が必要
- 通院頻度は多くなる傾向
比較まとめ
| 項目 | 自然周期 | 刺激周期 |
|---|---|---|
| 卵子の数 | 1個程度 | 複数(3〜15個など) |
| 体への負担 | 少ない | やや多い |
| 薬剤の使用量 | ほぼなし/最低限 | 多め(注射・内服あり) |
| 通院回数 | 少なめ | 多め |
| 費用 | やや安価な傾向 | 高額になりやすい |
| 妊娠率(1周期) | 低め(単胚) | 高め(胚選択・凍結可能) |
それぞれどんな人に向いている?
自然周期が向いている人
- 排卵誘発剤に強い副作用が出る人
- 本来の自然な妊娠を目指している人
- 治療の負担を最小限に抑えたいと考えている人
- 卵巣機能が低下しており、刺激しても卵が増えにくい人
刺激周期が向いている人
- できるだけ多くの卵子・胚を一度に確保したい人
- 凍結胚をストックしながら計画的に移植したい人
- 年齢的に時間を優先して効率的な治療を希望する人
- PGTAなどの遺伝子検査を検討している人
注意点
自然周期でも刺激周期でも、治療の成功は採れた卵子の「数」ではなく「質」によって大きく左右されます。
また、同じ患者さんでも、周期ごとに卵巣の反応や採卵結果が異なることがあります。
医師や胚培養士と相談しながら、自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。
まとめ
自然周期は体にやさしく、刺激周期は効率的に治療を進めることができます。
どちらの方法にもメリットとリスクがあるため、「どちらが優れている」という単純な話ではなく、患者さん一人ひとりに合ったアプローチを考える必要があります。
初回の採卵では、まずどちらの方針で行うかを医師としっかり話し合いましょう。
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